2025年5月、ベトナム国会は、民間経済セクターの発展を促進するための特別な制度および政策に関する決議第198/2025/QH15号(以下「決議198」といいます。)を公布しました。決議198は2025年5月17日に施行され、企業、個人事業者、事業を営む個人ならびに関連する組織および個人に適用されます。 

決議198の重要な内容の一つとして、「起業の促進および事業規模の拡大を後押しするという現在の政策的要請に照らして、もはや適切ではないと評価されている」公課の廃止方針が挙げられます。具体的には、第10条第7項において、「2026年1月1日から事業ライセンス税の徴収および納付を終了する」と規定されています。 

これにより、2026年1月1日付で事業ライセンス税の徴収および納付が終了することに伴い、2026年以降の税務上の義務は、以下のとおり再構成されることになります。 

1. 企業が納付すべき主要な税目は、以下の3種類となります 

(i) 付加価値税(VAT); 

(ii) 法人所得税(CIT); 

(iii) 個人所得税(PIT)(課税対象となる所得を支払う場合に限ります。). 

2. 個人事業者について 

納付すべき主要な税目は、付加価値税(VAT)および個人所得税(PIT)の2種類のみとなります。もっとも、事業の内容によっては、特定の業種に属する個人事業者について、環境保護税、資源税その他の税目が別途課される場合があります。 

個人事業者に対する定額課税制度の廃止: 決議198第10条第6項は、2026年1月1日をもって、個人事業者に適用されてきた定額課税制度(ベトナム語:cơ chế thuế khoán)を正式に廃止することを規定しています。これにより、税額の算定は、個人事業者の実際の売上高に基づいて行われることとなります。具体的には、2024年付加価値税法において、年間売上高が2億ベトナムドン以上である個人事業者については、法令の定めに従い、付加価値税(VAT)又は個人所得税(PIT)の納税義務が生じることが規定されています。 

2025年12月10日には、改正個人所得税法も可決されました。同法により、個人事業者および事業を営む個人に適用される非課税売上高の基準額について、政府はこれを年間2億ベトナムドンから年間5億ベトナムドンへ引き上げるとともに、売上高に一定の税率を乗じて税額を算定するに当たり、当該基準額をあらかじめ控除することとしています。 

3. イノベーション・スタートアップ企業に対するその他の優遇措置 

イノベーション・エコシステムの発展を促進するため、決議198第10条第1項は、以下の主体に対して法人所得税(CIT)上の優遇措置を設けています。(i) イノベーション・スタートアップ企業;(ii) イノベーション・スタートアップ投資ファンドの運用会社;(iii) イノベーション・スタートアップを支援する中間支援機関。 

具体的には、上記の対象者については、イノベーション・スタートアップ活動から生じる所得に対して、最初の2年間は法人所得税(CIT)が免除され、その後の4年間については納付すべき法人所得税額の50%が減額されます。 

上記のとおり決議198において基本的な方針が定められているものの、個人事業者の売上高の算定方法、申告および納税の方法、ならびにイノベーション・スタートアップ企業に対する税制優遇措置の適用手続に関する詳細な実施規定については、今後速やかに公布されることが期待されています。 

免責事項: 本稿は、一般的な法令動向に関する情報提供のみを目的としたものであり、特定の事案、法人または個人に対する専門的な法的助言を構成するものではありません。個別の案件について追加の情報または専門的な法的支援をご希望の場合には、どうぞお気軽にお問い合わせください。 

謝辞: 本稿の作成にあたり、シニア・アソシエイトCường Nguyễn、アソシエイトAnh Trầnおよびトレイニー・アソシエイトLinh Quáchの貴重なご助言と専門的なご協力に深く感謝申し上げます。 

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